従来の治療では、一部歯随(神経)まで達した虫歯は、もう回復する
見込みがないものとして、神経をとることが一般的でした。いろいろな研究より、むし歯は、通常の化膿とおなじ、感染症であることがわかってきました。そして、ストレプトコッカス ミュータンスが、原因で起こることが非常に多いこともわかってきました。人の、口の中にはj常在菌が、たくさんいますが、ストレプトコッカス ミュータンスは、2歳ころに、多くは母親から感染してしまいます。
また、神経を取ると、生体の防御反応がなくなり、冷たさや、痛みが感じなくなり、また、歯自体も、もろく弱くなります。可能な限り、神経は取り除かないほうがよいと、歯科医は考えております。
3Mix−MP法は病巣を取り除かずに殺菌して自然修復を促すのが特徴。軟化象牙質や感染した歯髄もできるだけ削ったり抜いたりしないで残す。代わりにメトロニダゾール、ミノサイクリン、シプロフロキサシンという3種類の抗菌剤を調合して虫歯の穴に置き、そのまま穴をふさぐ。
こうするだけで抗菌剤が歯の隅々に浸透して歯髄を含む歯全体を無菌化。ほとんどの場合、1回の治療で虫歯の痛みはなくなり進行も止まる。大きく削ったり歯髄を抜いたりすることによるトラブルがない上、削らずに残した軟化象牙質もカルシウムが沈着するなどして再び硬くなるという説もあります。
この方法を取り入れてから、患者さんにとっても治療回数がへり、歯の削る部分が少なくなり、結果的に、費用も低く抑えることができるようになったと、喜ばれております。しかし、神経が、うまく回復できなかった症例もあり、そのときには、仕方がなく、神経を取らざるを得ないことになります。 |