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金属アレルギー患者への対応
金属アレルギーとは
金属アレルギーに悩まされてらっしゃる方も多いと思います。また今はアレルギー症状がない方でも近い将来金属アレルギーになってしまう可能性も有り、安心は出来ません。
 もともと金属アレルギーそのものは昔からあった病気なのですが、その発病率は最近急増しており、環境の汚染された現代における現代病の一種とも言われています。
 そもそも金属アレルギーとは人間がもつ抗体反応の一種で、ある金属イオン(これを『アレルゲン』と呼びます)が体内に吸収された場合、その金属イオンを滅殺しようとして体が抗体を作り、次回に同じ金属イオン(アレルゲン)が体内に吸収されると、前回の侵入時に用意された抗体が金属イオン(アレルゲン)と激しく反応し、その際に体に腫れやかゆみ・痛みを発病するのもので、ちょうど病原体が体内に進入したときに白血球がその病原体と反応して、腫れや膿みを起こすのと同じような作用なのです。
 ただこのアレルゲンは人によって違い、ある人は銅イオンに対して抗体を作ってしまい、別の人はニッケルイオンに対して抗体を作ってしまいますし、また全抗体を作らない人もいたりしましてそれこそ千差万別で、原因をはっきりと特定することをより難しくしています。
金属アレルギーを起こしやすい金属
水銀23%、ニッケル13.5%,コバルト13.5%スズ12.8%,パラジウム11.3%,クロム9.5%,銅7.3%,白金3.6%,亜鉛1.8%,金1.8%,カドミウム1.5%,アンチモン0.4%との報告があります(http://www.simple-stone.com/knowledge/about_allergy.htm)。一般的に純のシルバーはほとんど金属アレルギーを起こさないようです。
金属アレルギーが疑われる場合には、次のような金属についてパッチテストを行います。
塩化第二鉄 、塩化イリジウム 塩化第二スズ 三塩化イリジウム 塩化金酸 塩化パラジウム 塩化アルミニウム 塩化白金酸 塩化亜鉛 塩化マンガン 臭酸銀 硫酸クロム 塩化コバルト 硫酸銅 硫酸ニッケル 重クロム酸カリウム 塩化第二水銀

掌せき膿胞症について
アトピーと掌せき膿胞症は見た目は違っていますが ほとんど双子というくらいに原因が似ています。
奈美 悦子さんが患ったことで、よく知られるようになりましたが、 掌蹠膿疱症は手のひら(手掌)と足の裏(足底)を中心に、膿が溜まっている様に見える小さいな発疹(膿疱)が、繰り返し出現する皮膚疾患です。皮膚のみではなく、時に胸骨、鎖骨、肋骨との間の関節に激しい痛みが発生します(掌蹠膿疱症性骨関節炎)。
歯科に関する治療について
慢性病巣感染は、特定の部位に症状は顕著ではない病巣が存在し、病巣の存在する部位とは離れた部位に症状が出るものです。掌蹠膿疱症では慢性病巣感染として、
・口蓋扁桃(のどの両側に1個ずつあるもの)
・歯性病巣
が指摘されています。
口蓋扁桃に病巣が存在し、口蓋扁桃には症状は見られずに手掌と足蹠に膿疱または水泡を形成する。歯性病巣は虫歯が原因となり顎の骨の中に病巣をつくり、上記口蓋扁桃と同じように病巣の部位ではなく、手掌と足蹠に膿疱または水泡を形成する。このような病巣の治療により、掌蹠膿疱症の症状が軽快することがあります。
金属アレルギーについては、金属除去により掌蹠膿疱症の症状が軽快したと言う報告や、効果は無かったという報告など報告が一致していません。
また、特定の金属イオンが異常に反応する場合には、その金属を排除すると劇的な改善が見込まれるケースもあります。しかし現実にはあらゆる金属に異常反応を示して、有害金属が特定できないこともあります。問題となりそうな金属を極力排除すると伴に、飲料水や空気から流入してくる有害物質の総量を抑制することも必要となってきます。
 口腔内に装着した金属は、その気になれば除去は可能ですが、特定できない場合には効果が出ない場合も少なくありません。アレルギーの原因と思われる金属をはずし金属以外の材料、セラミックなどを使う場合もありますが、保険外診療となってしまいます。また、全部の金属をはずさなくても軽快することもあります。もっとも、このように、原因を特定することが、難しいため、患者さんの状態の変化を見ながら、もっとも好ましいと考えられる方法を、お互いに信頼感を持ちながら協力し合い、克服していく、粘り強い態度が必要です。(下図は、金属アレルギーパッチテスト)