(序文)
『ロ蓋裂矯正歯科の健保導入の歴史
「北海道苫小牧市内に住む建築業、竹田洋一郎さん・・・・・・・・・・・生まれて間もない三女の和美ちやん(生後三力月)の小さな体が裸のままつぶれたようにタタミの上に倒れていた.・・・・・・・・・竹田さんは自分の車で近くの病院に和美ちやんを運び込んだ。が、すでに死んでいた。・・・昭和五十年五月二十五日夜のことだった−。」
これは、1976年毎日新聞北海道支社発行の「谷間の口がい裂児たち」この子らに健保を。
の書き出しの部分です。この母親が口唇顎口蓋裂を持つ子供を殺害した事件後、矯正歯科の保険導入の働きかけがコロンビアトップ議員の国会質問により始まった。1982年にようやく、保険導入が開始し、はや20年を経過した。1996年には、外科矯正治療の分野のうち、以前より手術に関しては保健適用となっていたが高度先進医療のジャンルにはいる、大学付属病院にて矯正歯科部門の保健導入が実現。その3年後に、顎機能診断施設基準に合致した一般矯正歯科開業医にても矯正部門の保健適用が導入された。』
私が札幌医科大学口腔外科に勤務していた時期に発行された本で、口蓋裂児によりよい環境を作ろうと感じた本です。今回当院で、毎日新聞社の許可を受け、院内で再発行いたしました。
地方新聞に連載した内容をまとめた本
北海道の歯科医が書いた文章を、監修し発行。
1、函館の矯正歯科医院に来院した唇顎口蓋裂患者の意識
2、口蓋裂児の総合治療における矯正治療の役割と治療過程
3、顎変形症例および唇顎口蓋裂患者に対する矯正歯科・形成外科とのチームアプローチについて